こんにちは。今回は僕が実際にMMD動画を作るときに使っているエフェクトを紹介していこうと思います。
質感はシェーダが4割、色調が5割です。僕はそう考えています。同じエフェクトを使ってもシェーダの使い方次第でどうにでもなるので、「何のエフェクト使っている?」はあまり意味がありません。
同様にどんなステージでどんな曲やモーションなのかで色調は全く変わってくるので、これも人に聞いてもあまり意味はありません。こんな記事を書いておいてアレなのですが。
そこで当記事ではどうしてそのエフェクトを使っているのか、ということにも言及しながら紹介しています。次の記事ではなぜそのエフェクトは使っていないのかも解説しています。
そして僕は質感のみを追求しているわけではありません。動画の挫折率を減らすことを非常に意識しています。
モデルやステージを変更したとき、気分が変わって訂正したくなったとき、そういうときにいちいち再操作しなくていいものをチョイスしています。エフェクトの不具合に頭を悩ませたりすることも少ないです。
そういうわけでとても実践的なエフェクト構成だと自負しています。
初心者の方が使うのには少し難しいものもありますがこれを機にぜひ使ってみて下さい。まだまだ研究途中ですが皆さんの参考になれば幸いです。
この記事は古いです。最新のエフェクト記事はこちら。
基本質感
基本構成はできるだけ元の色味を変えずに質感だけ上げます。どんな動画を作るときも大きくは変わりません。誰でも参考にできる場所だと思います。
よりおすすめなものには☆をつけています。
トゥーン調です。トゥーンはいいぞ。
HAToon ☆
自由度が高いです。ジェネレータもわかりやすいです。excellentshadowのオンオフやLocalShadowのオンオフもあります。僕はどちらもオフにしています。顔に変な影がかからないようにしたいなら影を短くすればよいだけですからね。
服や髪の影は黒っぽく長く、肌の影は赤っぽく短くしています。キャラクターごとに調整したシェーダを作っています。
大体動画を作るときに順光か逆光かを決めておきます。肌の影の長さはそれによって変えます。だから同じキャラクターでも動画によっては違うシェーダを使います。
僕はAzoltさんという方が配布された改変HAToonを使っています。これぞ神です。シェーダにリムライトが入っていてものすごい使いやすいです。僕はこれを改変して使っています。女の子モデルを使っている方は一見の価値ありです。
HAToonの価値はジェネレータにあると言っても過言ではないので、ジェネレータを使えないならHAToonを使う意味は殆ど無いです。
ジェネレータを使えない方は(MMD限定ですが)PAToonが良いでしょう。コントローラで影の色・光の色をコントロールできるのが特徴です。
HgDiffusion
拡散光です。Tr0.4くらいで使用しています。他のディフュージョンと違い色味が変わらないのが特徴です。僕の思想とマッチしていて非常に使いやすいです。
SvSSAO ☆
MMD最適化「1.0」で使用しています。シェーダではつかないところに影がつきます。詳しい原理は存じません。
入れると質感がぐっとあがります。 かなり強めにかけています。SSAOはいくつか種類がありますが、これが一番女の子モデルのかわいさを損なわない気がして愛用しています。トゥーンの人もいれましょう。かなりおすすめのエフェクトです。
SSAOの比較記事はこちらが参考になります。
HgSAO
質感をちょっとあげるのに使っています。SvSSAOとは違うところに影が付きます。濃すぎると顔が怖くなるので薄ーく使っています。費用対効果はそこまでないので場合によっては外しています。
A-screen
AutoGradationでも代用可能です。最近はTwitterで配布されていたPostMovie改変をよく使っています。
PowerDoF
背景ぼかすやつです。MMMで一番安定して動いてくれるので愛用しています。でも複数人の場合、DoFの切り替え動作は面倒です。だから複数人のときは背景を単色ドームにしてDoFを外す…なんて技もよくやります。
DoFの使い方はこちらの記事をどうぞ。
AutoLuminous ☆
目のハイライトを光らせるのに使っています。あるのとないのとでは大違いです。よくYoutubeでこの手法を使っている人を見ますね。
CheapLens
周りを暗くするアレです。
MotionBlur
費用対効果の高さからノートPC時代から愛用しているエフェクトです。
しかし実は26万頂点制限なるものが存在し、プロジェクトにあるモデルの頂点数が26万を超えると表示がおかしくなります。(MMMだけ?)
制限を気にするのが億劫で、現在は場合によっては不採用になっています。
SoftSmoke
これは時々使うエフェクトです。威圧感がぐっと出るので使うことがあります。飛び道具的な立ち位置です。モデルの靴と床がどちらも黒くて同化してしまうなんて場合にも使います。
WorkingFloorとかも似たような用途で使うことがありますね。
ここまででこんな感じになります。
色調補正
ここからは動画毎に考えなければいけません。僕は色調補正もMMDで済ませています。人によっては動画編集ソフトでやっているかもしれませんね。
色調補正には原曲のイメージも重要です。かわいらしい雰囲気ならパステルカラー、ゴシック的な雰囲気なら重い赤紫など…。しかしあまりガッチリ決めようとしすぎるとドツボにはまってしまいます。方向性くらいのふんわりした感じでいいのです。
そして色調の方向性を決めればステージも自ずと決まってきます。青っぽいステージがいいのか赤っぽいステージがいいのか白っぽいほうがいいのか見えてきます。
最近はざっくり色調を決めてそこから微調整するスタンスでやっています。ステージと色調補正エフェクトは繋げて考えた方がいいです。僕は色調もステージ決めも大苦手なので、そうでもしないと全然決まらないのです。
大抵のエフェクト講座は色調補正のベース部分の紹介にとどまっていますが、自分は微調整用のエフェクトまで込みで紹介しようと思います。
ベース
適当フィルターA
色の濃さや暗さを調節するのに使っています。もっときちんと彩度や明度を調整するエフェクトもあるのですが、僕はそれだとすぐ色を汚くしてしまうのです…。何故かこれで調整した方がいい具合に調整できます。
下記に紹介する色調補正エフェクトをかけてからこれで調整していくことが多いです。
ikclut
色調補正パレットを簡単に作ることができます。いろいろ改変ikclutが配布されていますが、このエフェクトの真髄はそこにあると思っています。
理想は自分でパレットをつくって、それをベースに微調整することです。
人のをたくさん借りて当てずっぽうにいれるのはやめましょう。無駄に時間がかかります。
ただ、パレットを作るのは面倒だし僕はそもそも色調が苦手です。そのため他の方々の素敵な色調補正をお借りすることも多いです。よくお借りするものを少し紹介しようと思います。
他の人のを借りるときはあまり色相にこだわらない方がいいです。色相はあとでいくらでも微調整できます。ある程度理想の明度・彩度になったら後で紹介するエフェクトで微調整しましょう。
o_tonemap改変 Atmosphere
o_tonemapの改変エフェクトです。モノクロ風味になっているのでかなり落ち着きます。stillnessが特に便利です。愛用しています。
ikClut改変 FJ-Taste Horse
同梱の白飛び防止が便利です。
o_Tonemap ☆
改変エフェクトがたくさん配布されていますが、元のo_tonemapに同梱されているものもなかなか便利です。o_monochromeとo_plainは特に愛用しています。
適当フィルターAをx1.1y0.3z0.4、StillnessをTr0.4でかけたのが以下になります。
微調整用
Color ☆
基本、背景にシェーダをかけることにあまり意味を感じていません。DoFでぼかしちゃうし、SvSSAOで質感は上がっているので…
ですから背景はシェーダをかけないかこちらをかけます。シェーダをかけたモデルの色をコントロールできます。MMM以外での使い勝手はよく知らないのですがMMMでは神です。
背景とモデルの色の調和は意識したほうが良いです。彩度が高すぎて浮いてしまうなんてことがよくあります。
背景にシェーダをかける人はテクスチャの色改変をして調整してみるのも手。もしくはM4Layerをうまく使うとか。
o_plain ☆
o_tonemapに同梱されています。レギュラー級です。
実はo_tonemap改変系には簡易色調補正機能があります。xが赤、yが緑、zが青。数値を増やすと加算、減らすと減算になります。
Aviutlの拡張色調補正にも似た機能でこれが微調整にもってこい。ちょっと赤みが欲しいときとか緑っぽく変えたいな―とかいくらでも微調整できます。
たとえばx0.8y-0.3z-0.3で赤っぽくできます。
お借りしたもの
- モデル:市NB(ゆきはね様)
- ポーズ:セクシーポーズ集(涼一様)
- ステージ:ボーダーステージ(ボボヂ様)